2016年10月5日水曜日

やばいって、わからん


15年前、大阪にあったアイリッシュ・パブで、日本に着いたばかりのアイルランド人バーテンダーと、「やばい」という言葉の意味を話したことが記憶に残ります。この言葉はなかなか英語に訳するのは難しいと私がだらだらと言いましたが、率直なダブリン出身の相手は、「いや、そうでもない。英訳すれば、「F*ck that!」という意味でしょう」。私は笑って、なるほど、名訳だと納得しました。

しかし、先日の静岡新聞を読むと以下の文章に出会って、驚きました。

「言葉は流れる水のように常に変わっていく (中略) 「やばい」が登場したのは、10年以上も前。かつては警察に追われた犯人が身の危険を感じた時などに使う言葉だったのが、若い世代が「素晴らしい」「おいしい」など肯定的な意味で気軽に使うようになったとある。当時、すでに10代は7割、20代も半数が肯定的に使っていたそうだから若い人の間では今や肯定的に使うのが一般的のようだ。」

へー、そうなの。10年前の現象だが私には初耳でした。気が付かないうちに、「やばい」の意味が全く変わってしまったようです。考えると、最近、英語の「sick」は同じように否定的な意味(「ひどい」)から肯定的な意味(「素晴らしい」)に変わりました。中世に戻れば、「nice」(気持ち良い)はもともと「恐ろしい」という意味があったそうです。

人間は意味を明確にするために、言葉を使うとはかぎりません。言語の変化は、前の世代の価値観を皮肉っぽく見たり、覆したりする、人間の流動的な精神を表すところもあります。前世代から伝わった言葉を全く違った意味で日常的に使うことに気がつかないでしょう。言葉に不動の意味をつけようとすれば、言語がいかに反抗的に進化する自由を無視する無理があります。

1 件のコメント:

2008nov さんのコメント...

Tention MAX" it is also Wakaran Japanese.
Dose the English-speaking world has "KY" culture??