ダミアン・フラナガンのブログ
2022年3月30日水曜日
ユーモアがなく、イデオロギーだけで動く社会
›
1990年代の始め、イギリスではチェコスロバキア生まれの作家ミラン・クンデラ氏の小説が大流行した時期があった。近頃では、私はクンデラ氏の軽い小説の筋もほとんど忘れてしまっていたが、最近クンデラ氏の故郷、チェコ共和国を再訪した時、彼の創作上の宇宙が、私の心の中の記憶を思い起こさせた...
正午に死にたかった三島由紀夫
›
去年の11月25日に、三島事件は45年記念を迎えた。 その機会に、細江英公氏の傑作写真集「薔薇刑」(1963年) が再出版された。ページをめくり、一つの写真に出会うと、 ぞっとする。三島が、 ちょうど正午を示しているでかい時計を抱えているポーズだ。 三島は一生に亘って時計、腕時計...
2018年3月18日日曜日
漱石の後を継いだ男
›
東京大学で英文学を教えるローレンス・ウィリアムズ博士は、先日、愉快な解説とともに、大変興味深い写真をフェイスブックに載せた。それは、雑司ヶ谷墓地にある、彼と同じ名前を持つ東京大学の先人、ジョン・ローレンス博士の墓であった。東京大学は、過去の教授達の墓を、今でもちゃんと面倒を見て...
2017年11月8日水曜日
映画「007は2度死ぬ」の知られざる裏話を探る
›
ジェームス・ボンドの5番目の映画、「007は2度死ぬ」の封切りから50周年の今年を迎え、007の日本での冒険の背後にあった東京のスパイ組織や、秘密のシャーロック・ホームズ協会、そしてオーストラリアの二重スパイの話を明かす。 青空の中へと吸い込まれていく小さいヘリコプター...
2017年4月15日土曜日
夏目漱石、「スターウォーズ」、そして武士道
›
1912年9月、日露戦争での英雄、乃木希典大将(写真、上)が割腹自殺を図った。それは、明治天皇の葬儀の日に行われた殉死であり、近代における武士道の頂点を極める行為であった。 乃木大将の殉死は、英雄的であったのか、それとも甚だしい時代錯誤であったのか。江戸期の儒学者であり、1...
2 件のコメント:
2017年4月1日土曜日
第二次世界大戦と武士道
›
1957年に上映された映画、「戦場にかける橋」で、横柄なイギリス人の大佐が、捕虜収容所で日本人の所長に食って掛かるシーンがある。彼は、ジュネーブ条約によると、将校には労役を無理強いさせることはできない、と主張する。これを聞いて日本人の大佐は激怒する。私は西洋の法には従わない。私...
2017年3月12日日曜日
武士道ー日本人としてのアイデンティティの目覚め
›
1945年から52年にかけての、アメリカ占領時代に作られた日本の憲法については、それが日本を「普通の国家」と認めるのを拒否したアメリカの押し付けなのか、あるいは原爆を体験した唯一の国としての日本の立場を反映した、貴重な戦争放棄を宣言するものなのか、意見が分かれるところである。 ...
›
ホーム
ウェブ バージョンを表示